旅館業営業許可施設で多発?トイレ詰まりの原因と排水改善工事

旅館業を運営していると、必ずと言っていいほど起こる設備トラブル。
その中でも最も緊急性が高く、クレームに直結しやすいのが 「トイレの詰まり」 です。

満室の日に限って起きる。
チェックアウト前に発覚する。
夜間に連絡が入る。

これは運営者にとって非常にストレスの大きい問題です。

しかし、トイレ詰まりは
・応急処置で直るもの
・根本原因が構造にあるもの
この2つに分かれます。

今回は、旅館業・宿泊施設向けに「本当に使える解消方法」を解説します。


まず最初に確認すること(初動対応)

詰まりが起きたら、まず以下を確認します。

・水位は上がり続けているか

・ゴボゴボと音がしているか

・他の排水(洗面・浴室)も流れが悪いか

・何を流したか(ペーパー?異物?)

※水が溢れそうな場合は絶対に再度流さないこと。

ここで「便器内の問題」か「排水管の問題」かを見極めます。

軽度のトイレ詰まりはクリーニング部門で対応

宿泊施設では、トイレ詰まりのすべてが専門工事を必要とするわけではありません。
実際には、トイレットペーパーの使用量が多かったことによる軽度の詰まりなど、比較的簡単な作業で解消できるケースも多くあります。

そのような軽度の詰まりの場合、当社ではまずクリーニング部門の軽作業部隊が対応します。
ラバーカップ(通称スッポン)などの基本的な道具を使用し、迅速に詰まりの解消を行います。

宿泊施設では、チェックアウトから次のチェックインまでの時間が限られているため、スピード対応が非常に重要です。
軽度の詰まりであれば、現場スタッフが迅速に対応することで、大きなトラブルになる前に解消することができます。

しかし、何度も同じ場所で詰まりが発生する場合や、ラバーカップで改善しない場合は、排水管内部の汚れや配管構造に原因がある可能性があります。
その場合は、排水管の高圧洗浄や配管の勾配確認、通気設備の確認など、専門的な調査・改善が必要になります。

宿泊施設では「一時的な解消」ではなく、再発防止まで含めた設備管理が非常に重要です。

排水管内部の汚れや配管構造が原因の場合

軽度のトイレ詰まりであれば、クリーニング部門の軽作業部隊によるラバーカップなどの対応で解消することが多くあります。

しかし、ラバーカップで改善しない場合や、同じ場所で何度も詰まりが発生する場合は、排水管内部の汚れや配管構造に原因がある可能性があります。

例えば、

・排水管内部に蓄積したトイレットペーパーや汚れ

・長年の使用による配管内部の付着物

・排水管の勾配不良

・配管のたわみや支持不足

・通気不足による排水不良

このような場合は、単なる応急処置では根本的な解決にはなりません。

そこで我々リフォーム会社の設備対応として、排水管高圧洗浄を行うことになります。

高圧洗浄では、専用の機械を使用して排水管内部に高圧水を送り込み、配管内に溜まった汚れや詰まりの原因を一気に洗い流します。
これにより、排水の流れを改善し、詰まりの再発防止にもつながります。

また、必要に応じて排水管の状況確認や配管勾配のチェックを行い、構造的な問題がないかも確認します。
宿泊施設では不特定多数の方がトイレを使用するため、排水設備への負担が大きく、定期的なメンテナンスや早めの対応が安定した運営につながります。

旅館業運営ではトイレ増設工事にも注意が必要

旅館業営業許可を取得する際、宿泊定員人数に応じてトイレの増設が必要になる場合があります。
既存住宅を宿泊施設へ変更する場合、トイレの数が不足しているケースは少なくありません。

特に戸建ての木造住宅の場合、比較的リフォームがしやすく、トイレの増設工事も対応できるケースが多いです。
しかしここで注意が必要なのが、排水配管の施工方法です。

経験の浅い職人が工事を行った場合、「とりあえず既存の排水管に接続すれば流れるだろう」という考えで施工してしまうケースもあります。
一見すると問題なく流れているように見えても、実際には排水環境が適切に整っておらず、後々トイレ詰まりの原因になることがあります。

今回対応した現場でも、トイレが二つ設置されているにも関わらず、二つのトイレの排水管を直接接続し、床下で固定もされていない状態で転がしたまま汚水枡に接続されていました。

本来、排水管は適切な勾配を確保し、支持金具などでしっかり固定する必要があります。
しかし配管が固定されていない場合、配管がたわみ、排水の流れが悪くなってしまいます。

さらに、二つのトイレを同じ排水管で接続する場合は、排水量や通気の問題も考慮する必要があります。
これらが適切に施工されていないと、排水がスムーズに流れず、トイレ詰まりが発生する可能性が非常に高くなります。

宿泊施設では不特定多数の方がトイレを使用するため、一般住宅よりも排水設備への負荷が大きくなります。
そのため、トイレ増設工事では単に設備を増やすだけでなく、排水管の勾配・配管ルート・固定方法・通気などを総合的に考えた施工が重要になります。

旅館業施設の設備トラブルを防ぐためには、経験のあるリフォーム会社による設計と施工が非常に重要です。
適切な施工を行うことで、詰まりなどのトラブルを未然に防ぎ、安心して宿泊施設を運営することができます。