スレート屋根の特性とメンテナンスについて

スレート屋根は、屋根に使用される「天然スレート」と「化粧スレート」という2種類の素材で構成される屋根材です。
これらは、一般的な住宅にも広く使用され、化粧スレートは「コロニアル・カラーベスト」としても知られています。
リノプロリフォームがスレート屋根の種類や、適切なメンテナンスの時期や方法について、以下で詳しく説明します。

 

1:スレート屋根とは

スレート屋根は、主成分にセメントを使用し、厚さ約5mmの薄い板状の屋根材です。
外装材に必要な塗膜保護が必要である一方で、耐久性の高さとスタイリッシュなデザインにより、最近では需要が高まっています。
棟は金属製であり、棟板金として知られています。

スレート屋根は、構造的には他の屋根とほぼ同じですが、桟木が不要で直接ルーフィング(防水シート)の上に取り付けることができます。
一般的なスレート屋根は約90cmの幅、約5mmの厚み、一枚あたりの重量はおよそ3.4kgです。
1枚あたり4ヶ所留めが基本で、釘を打って新しいスレート屋根を上から張ります。
地震など自然災害で剥がれても、下地が露出することはなく、雨漏りが発生する心配がありません。

スレート屋根においては、合板とルーフィングが重要な要素となります。
ルーフィングが一枚のみ損壊した場合は問題ありませんが、早期に修繕する必要があります。

 

2:スレート屋根の種類はどんなものがあるの?

スレート葺き屋根には、種々の種類が存在します。
住宅の個性を汲み取り、最適な屋根材を選定するため、その特性を衷心に理解しましょう。

 

天然スレート

「粘板岩(ねんばんがん)」とは、泥岩などが地下で高い圧力と温度に晒されて固められた素材のことを指します。
この「粘板岩」を薄く板状に加工した天然素材を「天然スレート」と呼びます。
天然スレートは、鉱物のような風合いで独特な模様を持ち、希少価値の高い屋根材として知られています。
また、耐久性が非常に高く、色あせしにくい優れた特性も持ち合わせています。
しかしながら、素材自体の高価格性や工事費用の高さから、あまり多く使用されているわけではありません。

 

化粧スレート

「化粧スレート」とは、自然の石ではなく、セメントで固めた人工的な屋根材を指します。
名前の由来は、天然のスレートと似せているため、「化粧」と呼ばれます。
日本のほとんどの平屋根の建物では、化粧スレートが使用されています。
形状によって多種多様な種類が存在するため、以下で一つずつ詳しく説明していきます。

 

平板(へいばん)スレート

幅広い建築分野で使用されている薄い板状に成形されたスレートは、「平板スレート」として知られています。
商品名としては「カラーベスト・コロニアル」などの名称で呼ばれることもあります。
一般的な住宅においても、平板スレートは非常によく見られる屋根材であり、形状や質感には多くの種類が存在し、デザインの選択肢も豊富です。

厚型スレート(セメント瓦)

「厚型スレート」とは、化粧スレートを瓦の形に成形して厚みを持たせたセメント瓦のことです。
以前は、本物の陶器素材の瓦に比べて安価で施工性に優れているということから、一時期広く普及しました。
しかし、現在はあまり採用されなくなった理由の一つとして、本物の瓦ほどの耐久性を持たないことや、平板スレートに比べて高価であることなどが挙げられます。

その他スレート

「波型スレート」と呼ばれる波形の形状を持つ外装材と、化粧スレートの1つである「石綿スレート」という種類が存在します。
「石綿スレート」はアスベストという有害物質が含まれており、人体への健康被害が判明したため、この種類の石綿スレートは現在は使用されていない状況です。
現在では、アスベストを含まないスレートを「無石綿スレート」と呼ぶことがあります。

 

3:スレート屋根の良い点と悪い点

 

スレート屋根の良い点

・比較的に材料費、施工費が安い
スレート屋根は、他の屋根材と比較すると費用が低く、比較的手軽に施工できることが特徴です。
各地の業者や形状によって異なりますが、一般的には1㎡あたり5,000円から10,000円程度の価格帯で施工することができます。
瓦屋根と比較すると、スレート屋根の方が費用が安くなります。

・カラー、デザインの種類が豊富
スレート屋根は豊富なカラーバリエーションとデザインから選ぶことができます。
また、多数のデザインがあり、和風、洋風においてもマッチングしやすい屋根材です。

・材料が軽く地震対策になる
スレート屋根は、軽量でありながら地震の揺れに強くなっています。
1枚あたりの重量は約3.4kgであり、瓦屋根と比較すると半分程度の重量しかありません。
そのため、大きな揺れが発生しても被害を最小限に抑えることができます。

・対応できる業者が多い
屋根材の中でもスレート屋根は非常に普及しており、施工できる業者が多いのも大きなメリットの1つです。
そのため、メンテナンスを行う際にも施工業者を探す必要がある場合でも、スムーズに施工できる可能性が高くなります。

 

スレート屋根の悪い点

・ひびが入り割れやすい
スレート屋根は、軽量でカラーバリエーションが豊富な反面、ひび割れが起こりやすい特徴があります。
台風や強風が発生すると飛来物によって割れやすくなるほか、雨水の吸収と乾燥によってもひび割れが発生することがあるでしょう。

・定期的な点検とメンテナンスが必要
スレート屋根のメンテナンスは非常に重要です。
経年劣化によって塗装が剥げたり、ひび割れが生じることがあり、このまま放置しておくと、防水効果が失われ、雨漏りの原因となる可能性があります。

そこで、スレート屋根の定期的な点検とメンテナンスが必要です。
スレート屋根自体の寿命は20年前後とも言われていますので5〜7年ごとに点検を受けることをお勧めします。
このようにすることで、スレート屋根の耐用年数を延ばすことができます。

 

4:スレート屋根のメンテナンス方法

 

塗装

スレート屋根の適切なメンテナンスと塗り替えについてお伝えいたします。
通常、スレート屋根の塗り替えの目安は10年前後です。
しかし、屋根材に色あせ、割れ、塗装のはがれなどの劣化症状が見られた場合は、すみやかにメンテナンスを行うことが重要です。

屋根は日々風雨や紫外線の影響を受け、塗装をすることで表面を守り、屋根材そのものの劣化を抑えます。
しかし、適切な時期に塗り替えを行わず劣化が進行してしまうと、雨漏りなどのトラブルが発生し、工事費用が高額になる場合があります。

なお、使用する塗料の種類によって、屋根塗装の寿命には違いがあります。
従って、業者に確認を取ることが必要です。

屋根塗装の費用相場は、おおよそ30坪あたり40~80万円程度となります(屋根の広さや住宅の状態によって費用は異なります)。
また、工期は11日~14日程度、施工期間中は足場が組まれ、窓が開けられなくなる箇所もあるため、季節やスケジュールにも留意するようご依頼ください。

 

葺き替え

葺き替えとは、建物の屋根を全体的に新しい材料に置き換える工法です。
塗り替えは表面だけをカバーしているため、30年以上が経過すると屋根材自体が劣化し、葺き替えが必要になります。
この工法は、古い屋根材を撤去し、下地を補強してから新たに防水シートと屋根材を貼り直す大がかりな作業を含みます。

工事の費用相場は、ご建物の大きさや状態など、様々な要因によって異なるため、大体は90〜200万円程と高額になっております。
ただし、葺き替えを行うことで建物は新築同様の状態になり、良好な状態を長期間維持することができます。

 

カバー工法

カバー工法は、屋根を葺き替える方法とは異なり、元の屋根の上に新しい屋根を重ねる方法です。
カバー工法では、既存の下地を使用するため、工事はやや簡易的で費用が抑えられます。
ただし、下地にもある程度の劣化が生じている可能性があるため、後に修繕が必要になることがあります。
また、屋根材を重ねることで屋根の重量が増加し、結果的に耐震性が低下することがあります。

カバー工法の費用相場はおよそ80~120万円で、既存の素材を撤去する必要がないため、葺き替えに比べて費用は低く抑えられる場合が多いです。
ただし、建物の大きさや状態により費用は異なるため、事前によく確認することが重要です。

カバー工法は、アスベストを含む屋根のリフォームに最適です。
葺き替えによるアスベスト製品の撤去は高額になるため、アスベストを埋め込み、新しい屋根で被せるカバー工法が好まれています。

 

まとめ

スレート屋根を採用した場合、5年〜7年ごとに定期点検を受け、約10年ごとに塗り替えが必要です。

屋根材自体の全体交換は約30年ごとのタイミングで考える必要があります。これらの時期と内容を把握しておくことが大切です。

スレート屋根以外の素材でもメンテナンスは必要になってきますが、スレート屋根の特徴は、1回あたりの工事費用が比較的安いことです。
また、素材の流通が多く、施工例も豊富で信頼できる業者を選ぶことができます。

スレート屋根について詳しい知識を持つのは専門業者ですので、信頼できる業者に相談することをお勧めします。
住宅全体の状態を確認し、最適なプランを選ぶことで、さらに費用を抑えることができます。

リノプロリフォームでは無料の調査と見積りをご提供しておりますので、お気軽にご相談ください!

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