空き家問題とは何か、リノベーションとは何か

この記事では、空き家問題とは何か、リノベーションとは何か、どのようなリノベーションをすれば良いのかという疑問について解説します。

また、相続で不動産を受け継いだ人が運用の仕方に戸惑うことも多いようです。

今回は、空き家・空室問題の解消にリノベーションが果たす効果や得られる付加価値について考えたいと思います。

 

空き家問題の現状

行政も補助金を出して空き家対策に取り組んでいますが、空き家が増える要因としては、少子高齢化と人口の減少や、都市への人口集中などがあり、これらは容易に解消できるものではなく、今後もこの傾向は続くと考えられています。

実は空き家の過半数は賃貸物件(売却予定物件)で、賃貸マンションや賃貸アパートを経営している不動産経営者にとっても、空室問題は、今後避けては通れない深刻な課題です。
そこで、安価で購入できる築古の不動産を現在の需要に合わせてリノベーションし、貸し出したり売却したりする方法が注目されています。

地方の物件はもちろん、都心でも、最新の設備を備えた新築物件の人気は高い一方で、築古の賃貸マンションやアパートの空室が増えています。

不動産投資では、新築物件に投資しても、いずれは建物が経年劣化し、設備やデザインも時代の需要や流行から外れていくことがあります。

利回りの高い中古物件でも、購入後すぐに空き家が深刻化し、実質利回りを維持するのは難しくなり、結局は経費の持ち出しになることがあります。

また、空室が長期化しスラム化した賃貸物件では、売りに出してもなかなか買い手が見つからない問題も起こります。

 

どのような対策を取っていくのか?

空き家の建物を解体して更地にする場合、多額の解体費用が発生します。
さらに、現状では更地にしても売却できない場合は、空き家が存在していた時よりも高額な税金を支払わなければなりません。
空家等対策の推進に関する特別措置法の改正により、建物があったとしても空家とみなされると増税されることになります。
ただし、現在の状況では、何もできないということが空き家には多いと思います。

一方で、空き家を賃貸物件として活用することで、ニーズに合わせたリノベーションを行うことが可能であり、新しい顧客層を獲得することができます。

投資目的で購入した物件は、最初の入居者の時にしか新築を高値で宣伝することはできません。
一度誰かが住めば中古物件となりますし、5~10年経てば新築や比較的新しいと宣伝しても、20年経てば見る人に「古さ」を感じさせてしまいます。
築浅の物件であれば、少しのリフォームで集客できることもありますが、築古の物件であれば、大規模なリフォームが必要になります。
人気がなくなって空き家状態になっている建物は、立地が良い物件であればリノベーションする価値があります。
立地条件の良い物件であれば、リノベーションの価値は高いです。
リノベーションを行うことで、物件に新たな価値が生まれ、より高い賃料で借りられるようになります。

 

リノベーションとは

まず、「リノベーション」と「リフォーム」の違いについて説明いたします。リフォームは、簡単に言えば、原状回復的な要素の強い修繕工事といえます。

壁紙の張り替えや設備の更新など、比較的短期間で行われ、入居者が入れ替わった際に行われるイメージがあります。
一方で、リノベーションは、住空間に新たな価値やデザインを付加する大規模な修繕工事です。
例えば、壁を撤去してリビングを広くしたり、間取りを変更してウォークインクローゼットを設けたり、壁・床・天井を全て張り替えたりすることもあります。
リノベーションは、古くなったインテリアを一新して美しくするだけでなく、入居者を魅了する住空間を提供するために必要なのです。

また、構造計算や外皮計算を行い、耐震補強と断熱補強をすることを「性能向上リノベーション」と言います。

 

リノベーションのポイント

築20年以上の空き家でも、ターゲット層を選定し、リノベーションによって新たな価値を付加し、単身者やファミリー層を取り込むことは可能です。
リノベーションとは何か、どんな改修が必要でしょうか。

例えば、女性向けには、独立洗面台、システムキッチン、洗浄機能付き便座など、女性目線での住空間のリフォームが求められています。

単身者向けには、ガスコンロ、ビルトイン照明器具、家具など、短期間であれば日用品を購入しなくて済む利便性が求められます。

大学近くの学生向け、都心の単身者向け、郊外のファミリー向けなど、物件の立地条件によって、ターゲットを絞ったリノベーションが必要です。

 

まとめ

リノベーションは、空き家・空室問題を解決するための一つの方法であり、不動産投資を検討している方にとって重要な要素となります。
しかしながら、リノベーションを行ったからといって必ずしも入居者が増えるとは限りません。
物件の立地や需要、予想される入居者層に合わせて、リノベーションを検討する必要があります。

現在、空き家でお悩みの方は、性能向上リノベーションに取り組むことで、新たな価値を付け加え、魅力的な居住空間を提供することで収益の向上を目指しましょう。

 

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