足場工事について知っておきたい５つのポイント
塗装工事はもちろん、新築・改修工事など、様々な工事には足場工事が必要となります。
リノプロリフォームでは足場工事に関する基本的な情報を提供いたしますので、足場工事についてしっかり学んで塗装工事の依頼をしましょう！
１：足場業者の現状
最近の足場業界では、建設・リフォーム需要の増加により、足場材の需要が年々増加しています。
しかし、現在の足場業界では、熟練した足場職人の高齢化が進んでおり、リーマンショック以降の低迷した建設需要により、中堅の足場職人が育成されず、人材不足の問題が深刻化しています。
足場工事は、主に高さがある場所での操作が求められることから、過酷で脚力を必要とし、重い足場材を運び上げる為、高い腕力・作業を続ける体力・精神力が必要なとても専門的な職業です。
また、機械を使用できないため、足場工事は、住宅塗装工事において必須の技能と言えます。住宅の塗装工事を手掛ける会社は、ハウスメーカー、リフォーム会社、また塗装専門店などさまざまですが、ほとんどの場合、自社で足場を組むことはありません。
２：「足場無料！」って言ってくる業者はいませんか？
チラシで「塗装工事 足場無料！」の文言を目にし、または営業マンに見積もりを依頼した際に足場を無料にできると説明された経験があるかもしれません。
塗装工事を経験されたことがないお客様にご説明すると、このような説明は足場工事の費用を無償化し、掛け値をつけて塗装工事契約を促す、「典型的な営業手法」と言えます。
しかし、無償の足場工事を享受するには落とし穴があります。
実際には、足場工事の費用を別の部分の価格を引き上げることで、価格を操作しています。
いくつかの営業トークについて例を挙げます。
「塗り替えキャンペーンで、急いで対応！あなたが今すぐ契約できれば、足場代を無料にします！」
「近隣で今工事を行っており、足場運搬費用がかからないので、タダで足場を提供します。」
これら2つのパターンは、一般的に用いられます。
このような方法から結論を言うと、足場工事における無料キャンペーンは実質的にあり得ないと言えます。
足場工事は材料の運搬から組み立て・解体が必要なため、多大な労力とコストが必要です。
足場工事は外壁塗装を安全かつ品質の高いものにするために必要な工程で、一般的な30坪程度の住宅では、約15万円～20万円程の費用がかかります。
これを無料にすることは、工事を請け負った業者にとっては大きな痛手となるため、そうした対応をすることは考えられません。
また、足場費用が無料でも、その分を他の部分に上乗せする場合がほとんどですので、最終的には費用に変化はないことをご理解ください。
３：足場の価格相場はどのくらい？
現在、足場工事の施工単価は、地域や工事業者によって価格の差が生じますが、大幅な変動は見られません。
一般住宅において、足場工事の相場は、1㎡あたり約650円〜1,000円（税別）程度と言われています。
この金額には、足場の設置及び解体、塗料の飛散防止ネットの取り付けや取り外し、トラックでの資材運搬、交通費、損料、そして工事保険代が含まれます。
一般的に2階建て住宅においては、足場費用は15万円〜20万円程度で収まることが多いです。
もし手元に塗装工事の見積書がある場合は、1㎡あたりの施工単価にご注目ください。
1,000円程度であれば、許容範囲内と言えますが、それ以上の価格である場合は注意が必要です。
一般的に、外壁塗装においては、工事代金全体の約20%が足場費用となります。
その為、屋根塗装と合わせて施工することで、別々の工事で必要な足場が1回で済むのでお得です！
ただし、屋根の勾配が急な場合は、職人の安全性や作業性を考慮し、屋根にも足場を組む必要があります。
さらに、屋根足場の費用も加算されることがあるため、事前に確認しておくことが必要です。
４：外壁塗装に足場は必要なの？
住宅の外壁塗装や屋根塗装において、仮設足場の設置がなぜ必要なのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、結論から言うと、足場を設置することは必須と言えます。
足場がある場合は上下左右に自由に移動ができ、両手を使って効率よく作業ができます。
逆に、足場がない場合は作業がしづらく、時間がかかってしまうだけでなく、作業品質も低下してしまいます。
一部の業者は、「足場を設置しなくても大丈夫」と言っているかもしれませんが、実際には作業効率が悪化し、品質の高い塗装ができないことが考えられます。
また、足場を設置しなかったことによる被害や事故が発生する可能性もあることを、忘れてはいけません。
足場費用を削減することが、品質の低下や事故発生のリスクを負うことになってしまうわけです。
つまり、足場を設置することは、品質の高い塗装工事を行う上で不可欠な要素であると言えます。
５：足場の種類ってどんなのがあるの？
・クサビ足場（ビケ足場）
現在、住宅塗装工事において最も一般的に使用されている足場は、「クサビ型足場」というものです。
この足場は、ブラケットや支柱をハンマーで打ち込んで組み立てるもので、組み立てるのも解体するのも非常に迅速に施工することができます。
足場板幅の種類も豊富で、ハンマーで確実に固定することで、足場の揺れを最小限に抑えています。
このため、住宅用の足場材の中でも最も作業がしやすく、優れたものと言えます。
・単管足場
単管足場とは、丸い鋼管パイプで構成された足場であり、クランプを使って2本のパイプを組み合わせることで組み立てられます。
作業員はパイプの上を歩くため、足場による転落事故を防ぐためには、かなり注意が必要です。
このため、住宅の塗装工事などでは、現在ではほとんど使用されていません。しかし、クサビ足場や単管ブラケット足場では作業できないような狭い場所などでは、単管足場が必要なケースがあります。
・単管ブラケット足場
単管ブラケット足場とは、単管パイプに特別な金属製支持・取付け用具ブラケットを取り付け、足場用の板（道板）を敷いた上に作業する足場材です。
単管ブラケット足場の主な特長は、足場材の高さ調整や躯体との間隔の微調整ができるだけでなく、多彩な組み合わせが可能な点です。
また、単管足場とは異なり、足場用の道板が設置されているため、作業中の移動も安全に行える点が利点です。
通常、単管ブラケット足場では道板を使用して足場を組み立てますが、クランプをラチェットレンチで閉じて組み立てるため、不十分な施工があると足場が揺れることがあります。
この足場は、材料の組み合わせによる構造なので、部材1つずつを組み合わせる手間がかかり、組み立てに時間がかかることが欠点の1つとなっています。
まとめ
外壁塗装において、足場工事は外壁や屋根と同様に、一定程度の知識が必要不可欠です。そこで、足場工事において重要なポイントを明確かつ簡潔にまとめます。
1. 無料で足場を利用できることは、実質的に不可能です。
2. 一般的な住宅においては、足場費用は15〜20万円程度必要になります。
3. 住宅足場には3種類あり、ほとんどは「くさび形足場」が用いられています。
これらの重要ポイントを理解することは、適正価格で高品質な外壁塗装を完成させるために不可欠です。
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